<daisyブログ> 特発性側弯症(daisyの役割・目的)

≪側弯症の程度と発生頻度≫

日本側弯症学会によるとコブ角10度を超える側弯症は全体の2~3%であり、20度以上で0.3~0.5%、30度以上で0.1~0.3%、40度以上は0.1%未満という発表があります。

近年では、特発性側弯症における学校検診が、2016年度(平成28年度4月)より運動器学校検診に導入されました。前屈テストや肩甲骨・骨盤の傾斜を観察し、側弯の発見項目となっています。しかし、急速な成長期に起因する進行や運動器学校検診での発見が見逃されていることがあると報告されています。

側弯症の治療は、コブ角(弯曲の程度)や年齢、骨成熟、脊柱の回旋などを考慮し決定されます。

軽度なものでは「経過観察」(コブ角25度未満)、悪化に伴い「装具療法」(コブ角25度以上)、「手術療法」(コブ角45度以上)と選択されます。

国外では「経過観察中の運動療法」や「装具療法中に追加された運動療法」の有効性は示されていますが、国内ではそれを行うセラピストの数が少なく、「運動療法」を追加するという選択肢にすら挙がらない印象があります。

そのため、手術適応となるまで「装具療法」のみの対応となっており、進行を予防・遅らせるような方法を知る機会がなく、「装具療法」にも前向きに取り組めていないです。

ちょうど思春期にもあたる時期で装具を作成しても見た目や違和感により装着しない例もあります。

 

≪当院の特徴・役割≫

明和町内や近隣市町にSOSORT(The Society on Scolopsis Orthopaedic and Rehabilitation Treatment)のガイドラインに準ずる側弯症に特化した運動療法を提供できる治療院や施術院はありません。

また側弯症治療の地域特徴として、ISSTは、全国で100名程度取得していますが、三重県では私を含め3名が取得しているものの、そのうち2名は大学勤務や施設勤務のため側弯症患者に関わることがありません。

daisyの役割として、

①特発性側弯症の児童と親の相談場所

②運動器検診で【経過観察】となった児童の把握と進行を抑える取り組み。

また、急速な進行にともなう早期発見の一助

③成人の側弯症に対する介入により、骨成熟後の進行(いわゆる再発)の防止

 

≪経過観察・装具療法中にも出来ることがある≫

世界的に「経過観察中の運動療法」や「装具療法中に追加された運動療法」が有効であることが示されている中、国内では進行を少しでも抑えたいと強く思っていてもその方法を知る機会が少ないです。

当院はお客さま自身が側弯の状態を正確に理解し、側弯の状態に合わせた正しい運動・姿勢トレーニング・日常生活での正しい動作指導(悪い習慣を認識)を行うことで、成長期に伴う急激な進行を予防し、遅らせることを目的としています。

特発性側弯症は、骨成熟終了まで長い期間通院・治療するため、経過観察中や装具療法中は本人のみならず、その家族は診察のたびに悪化の不安や手術のリスクを抱えており、身体的・精神的に負担が大きいです。

そのために↓↓

  • 側弯症のタイプを正確に評価し把握する
  • 本人、家族に対する教育(装具装着・トレーニング継続の重要性)
  • 自身の側弯変形の状態を認識し修正された姿勢を理解する
  • 修正された姿勢を生活の中で常に意識しトレーニングを行う
  • 修正された姿勢を保持できる安定性を獲得する(静的・動的)
  • 修正しやすいように徒手的に筋肉をほぐし関節の動きを誘導する

私は、進行の予防や改善するための方法、生活の中で気を付けなければならないことを知っていただき、装具療法にも前向きに取り組み、正しい方法でやれることを行って頂きたいです。

不安を少しでも和らげたいです。