特発性側弯症の方にぜひ体験して欲しい!長い歴史の中で確立された保存的運動療法! |
側弯症は、コブ角が軽度では経過観察。悪化に伴い装具療法が選択されますが、日本では進行を予防する手立てを指導されることがほとんどありません。
海外では、経過観察中や装具療法中に併用したシュロス法(ISST®)の効果が示されています。
ISST®(International Schroth 3D Scoliosis Therapy®) |
シュロス法(International Schroth 3D Scoliosis Therapy®)は、側弯症を修正するために考案され、確立された側弯症に対する運動療法です。
・頭部から下肢までを4つのブロックに分け、それぞれの変位を三次元的に観察し側弯症をいくつかのタイプ別に分類
・側弯の状態(タイプ)に応じた特異的な運動や呼吸を利用した3次元的な変形の修正エクササイズ
例)腰椎メジャーカーブ+胸椎カーブ (Schroth classification : Lle Tri)
※修正エクササイズはタイプ別に選択される為、全てがこのようなトレーニングを行うわけではありません。タイプを考慮しないような施術やトレーニングは弯曲を助長させる可能性があります。
※同じタイプでも人それぞれであるため、サイドシフトのような修正を強めにやりすぎて他の弯曲に波及(動きが逃げている)していることがあります。修正しているつもりが結果的に他の弯曲を強めてしまっている事があるため、運動方法を覚えるだけでなく、動かす程度・方向、保持などトレーニングの精度を上げる必要があります。
目的 |
□手術を回避
□進行を予防 / 進行を遅らせる
□脊柱を三次元的に修正
□呼吸機能と胸郭の可動性の増加
□みためを良くする(容姿)
□姿勢のコントロールと支持を覚える
□ホームエクササイズプログラム
□装具療法のサポート(併用)
シュロス法の歴史 |
・1921年 カタリーナ・シュロスがドイツ東部のマイセンで確立した治療法
・1983年 娘のクリスタと共にカタリーナ・シュロス・クリニックを設立
・1985年 カタリーナ・シュロス死去 (1894-1985)
・1995年 カタリーナ・シュロス・クリニックをアスクレピオス社に売却 以後の発展には、アクセル・ヘネスとニコラ・イェヴティッチが中心的な役割を果たした。
・2008年 ワイス医師(カタリーナの孫)がシュロス法の効果を科学的に実証。クリニックを離れ、彼自身の考えやビジョンに従った治療プログラム(シュロスベストプラクティス)を実現
・2015年 クリスタ・レーネルト・シュロス死去 (1924-2015)
シュロス法は、1921年にドイツのカトリーナ・シュロスによって確立された側弯症の保存的運動療法です。1972年にはクリスタが3次元的側弯治療の原理についた書籍を出版し、ドイツにおいてシュロス法は保存的治療運動に基づく方法として側弯治療で最も認められる方法に発展しました。
脊柱側弯症の治療への関心は外科的アプローチが主であり、非外科的方法に関するエビデンスは不十分であった。しかし、2012年以降脊柱側弯症の治療にSchroth exerciseが効果的であると報告されています。
また、2003年のボストンブレースのマニュアルには装具と併用したトレーニングが装具装着時のカーブ補正を強化すると示している。
シュロス法(ISST®)とシュロスベストプラクティス |
シュロス法とは別に、孫のワイス医師によるシュロスベストプラクティスがある。
本邦では、シュロス法(ISST®)と、シュロス法がベースにあるシュロスベストプラクティスを指導できる人材が増えつつある。ネット上では古い・新しい、難しい・簡単というような表現があるが、どちらもSOSORTのガイドラインに準ずるPSSE(側弯症に特化した運動療法)として推奨されている素晴らしい考え方だと思う。
というのも、シュロス法の創設者カタリーナ・シュロスから親子・孫の3代で確立し、科学的根拠も示されてきている。さらに、側弯症治療で世界で最も広く活用されている。
すごいことだ!
シュロス法(ISST®)のコース |
シュロス研修コースは、1986年に始まり、スペイン・オーストリア・イスラエル・イギリス・アメリカ・ラトビア・エストニア・ハンガリー・韓国・タイでも開催しています。
本邦においても、2013年より開催しており。筆記試験・実技試験をクリアした修了者は
“国際認定シュロスセラピスト”として登録され、国内認定者は100名を超えています。(ドイツは2500名以上)
(Axel Hennes PTにより指導・認定)